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インフルエンザウイルスの構造や種類

2019年08月13日

インフルエンザウイルスは、ウイルスの分類上は、エンベロープと呼ばれる膜状の構造を持つ、マイナス鎖の一本鎖RNAウイルス、として分類されるオルトミクソウイルス科に属する、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスの3属を指します。

インフルエンザウイルスの増殖スピードは速く、1個のウイルスが1日で100万個以上に増殖します。
主な感染経路は飛沫感染と接触感染が中心ですが、暖房で乾燥した密閉空間においては飛沫核による空気感染が考えられています。
潜伏期間は2~3日が多いと言われていますが、人によっては7~10日に及ぶこともあります。
生存期間は湿度50%では8時間程ですが、乾燥状態では1日以上です。
ウイルスが排出されるのは、症状が出る少し前から、感染後2週間後までの期間です。

潜伏期間中は感染するということはあまりないといえます。
しかし、ウイルスの排出期間が過ぎるまでの発症後3日~7日は熱が下がっても感染力があるので、発症前よりは熱が下がった後の感染に注意するべきでしょう。

インフルエンザの症状の主な特徴としては、突然の高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状の他、喉の痛み、鼻水、咳、嘔吐、下痢などがあります。
インフルエンザにかかった場合、高齢者では肺炎、小児では肺炎、脳症などを併発し、致命傷になることがあります。

インフルエンザの検査は、発症して半日~1日の時間が経過しないと確実な結果が得られません。
つまり、ウイルスの生存期間中でないと検査を受けてもインフルエンザかどうかはわからないのです。
インフルエンザの疑いがある症状がない限りインフルエンザの検査は保険の対象にならないので注意してください。

一般的な予防方法としては、日常生活上の注意と予防接種があります。
日常生活においては、まず、栄養バランスが整った食事や睡眠休息を十分とることが大事です。
石鹸による手洗いをし、手袋やマスクを着用してウイルスへの接触や体内への進入を減らしましょう。
また、室内では換気をこまめに行い、湿度を50%以上に保つことにより、ウイルスを追い出し飛沫感染の確率を大幅に減らすことが可能となります。

A型B型C型の違いってなに?

インフルエンザウイルスは、ウイルスゲノムを持つRNAをエンベロープが覆い、スパイクタンパクという糖タンパク質が突き出る構造になっています。
A型、B型、C型の違いは、ウイルス粒子を構成するタンパク質のうち、構造タンパク質と核タンパク質の抗原性の違いに基づきます。
他にも構造や遺伝子形状、病態が異なり、特にC型とA、B型とでは特徴が大きくなっています。

構造を見ると、A型とB型の表面にはウイルスが細胞に入り込む時に使うヘマグルチニン、ウイルスが細胞から飛び出す時に使うノイラミニダーゼの2種類がありますが、C型にはヘマグルチニンエステラーゼしかありません。
A型にはヘマグルチニンが16種類、ノイラミニダーゼが9種類あり、この組み合わせにより144種類の亜型があります。
B型にはそれぞれ1種類のみしかありません。
遺伝子はA型、B型のゲノムは8分節、C型のゲノムは7分節に分かれています。
A型のNA分節にはNA一遺伝子のみコードされていますが、B型ではNAとNBの2つの遺伝子がコードされています。
また、A型のM分節からはスプライシングによってM1とM2の2つのタンパクを生じますが、B型ではM1とBM2というそれぞれORFを持った2つの遺伝子がコードされており、スプライシングを起こしません。
病態の違いは、A型、B型は毎年冬期に流行を繰り返しますが、C型は季節によりません。

A型は特に内部での変異型が多く、世界的な大流行を起こしやすくなっています。
B型はA型に比べると流行の規模は小さいですが、世界的・地域的な流行を毎年繰り返します。
B型、C型は人にしか感染しません。

A型は遺伝子が不安定で変異体がおおく、ウイルスに対する免疫の持続も短いです。
B型は遺伝子がかなり安定しておりウイルスに対する免疫はA型よりは長く持続します。
C型は遺伝子がほとんど変化しないので免疫は長期間に亘って持続し、一度罹ると一生持続する場合も多いです。